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やる気！！

「２００１年宇宙の旅」を書いたＳＦ作家のＡ・Ｃクラークは未来学者でもあった。半世紀も前に、人間が道具を発見した一方で「道具も人間を発明する」との見方を示したという。テクノロジーの進化で､われわれの存在が再認識される時代がくると予言したのである。
メガネをかけると時空を超え、スーツを身につければ百人力のパワーを得る。気軽に空を飛ぶ日も夢でなさそうう。道具えお我が身のように使えいこなし身体能力や五感を究める。そんな「人間拡張」という未来技術で、私たちの可能性は広がる。その先陣を切る人たちが、パラリンピックの選手ではないか。
パラリンピックの発祥は英ロンドン郊外の病院で１９４８年に開かれた車いす患者の協議かいだった。ドイツから逃れたユダヤ人医師がリハビリにスポーツを取り入れた。理念は「失われたものを数えるな、残された能力を最大限いかせ。」後に「可能性の祭典」へと発展する。（田中圭太郎諸著の「パラリンピックと日本」）。
今や義足の走り幅跳びジャンパーの世界記録は、東京五輪で金メダリストが出した記録を上回る。思うに、前回の東京で開催時、日本人の平均寿命は70歳前後だったが、この半世紀で男81歳、女87歳まで延びた。老いると心身は衰え、杖や車いすの世話になる。選手の勇姿は指折りの高齢社会を元気づけてくれるだろう。-日本経済新聞「春秋」引用-